就労支援の中には、事業所内での支援の他に施設外就労と呼ばれる支援を利用できるものがあります。
この記事では、就労継続支援A型・B型の施設外就労について、加算の有無や算定要件などを解説します。
ぜひ最後までお読みください。
また、加算の算定や減算の適用に係る内容として、「令和8年度臨時報酬改定」は事業所を運営する上で無視できない話題です。
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カンタン要約:就労継続支援A型・B型の施設外就労とは?
- 施設外就労とは、利用者が事業所職員とともに企業等を訪問し、請負契約に基づいて業務を行う働き方で、スキル向上や一般就労への移行、工賃・賃金の向上が期待できます。
- 施設外支援と混同されやすいですが、施設外就労には実施日数の上限がなく、契約や人員配置などの要件を満たせば利用定員と同数まで受け入れられます。
- 施設外就労加算は2021年度改定で廃止され基本報酬に包括化されましたが、就労移行支援体制加算や地域協働加算の取得可能性が高まる点は押さえておきましょう。
施設外就労とは
施設外就労は、就労支援の利用者が事業所の職員とともに企業等へ訪問し、業務を行う働き方のことです。事業所での支援ではなく、一般企業でのより実戦的な業務を通して、スキル向上や一般就労への移行などを目指すために実施されています。
これらの作業は事業所が就労先と請負契約を結ぶことで業務を受託し、利用者に支援を提供しています。
「施設外支援」との違い
施設外就労とよく似た名称の制度に「施設外支援」があります。 どちらも事業所の外で行う支援ですが、性質やルールが異なるため注意が必要です。
特に重要な違いは、実施期間の上限の有無です。 施設外就労には年間の実施日数の上限はありませんが、施設外支援は「1年間に180日間を限度として算定する」と定められています(令和7年3月31日付 障障発0331第2号「就労移行支援事業、就労継続支援事業(A型、B型)における留意事項について」)。
| 施設外就労 | 施設外支援 | |
|---|---|---|
| 性質 | 企業から請け負った作業を、その企業内で行う支援 | 職場実習や求職活動など、事業所外での活動を支援するもの |
| 契約形態 | 事業所と企業との請負契約が必要 | 個別の請負契約は不要 |
| 実施期間の上限 | 上限なし | 年間180日が限度 |
| 職員の同行 | 必要 | 必要 |
「施設外支援」の詳しい内容や算定要件については、施設外支援とは?施設外就労との違いや算定要件、運営上の注意点を解説で解説していますので、あわせてご確認ください。
施設外就労のメリット
施設外就労には様々なメリットがありますが、ここでは利用者・事業者双方のメリットについてご説明します。
利用者のメリット
一般就労等への移行促進
施設外就労は一般企業で作業を行うため、事業所での作業と比べより実戦的な環境で経験を積むことができます。
賃金・工賃の向上
作業は企業からの請負契約によって発生しているため、通常の事業所内での作業よりも工賃や賃金の単価が高い場合があります。これにより、工賃や賃金の向上を見込むことができます。
コミュニケーションスキルの向上
普段の事業所内でのコミュニケーションとは違い、一般企業の様々な人と連携しながら作業を行う必要があるため、マナーや対人スキルの向上など多様なコミュニケーションスキルを身に付けることができます。
事業者のメリット
受け入れ人数の拡大
施設外就労は利用定員と同じ人数にサービスを提供することができます。利用定員が20名の事業所は施設外就労も同じ人数だけ受け入れることができるため、最大40名まで受け入れることが可能です。
地域連携・社会的信用の獲得
周辺企業等と連携することで、事業所と地域社会との繋がりを築くことができます。繋がりを作れば事業所としてもブランド力を向上させることができ、利用者を獲得しやすくなります。
施設外就労の加算はある?
施設外就労加算は2021年度の報酬改定にて廃止されています。そのため現在は施設外就労についての加算はなくなっており、基本報酬に包括化される形になっています。
一方で、「就労移行支援体制加算」や「地域協働加算」などの加算は、施設外就労を推進することで取得できる可能性が高まる加算ですので、これらの加算についても合わせて確認しておくとよいでしょう。
「就労移行支援体制加算」については、【2026年度改定対応】就労継続支援A型の就労移行支援体制加算とは?、【2026年度改定対応】就労継続支援B型の就労移行支援体制加算とは?で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
なお「地域協働加算」は、令和3年度報酬改定で施設外就労支援加算に代わって新設された加算です。要件の詳細については、所轄の自治体や最新の報酬告示でご確認ください。
施設外就労の算定要件
メリットの多い施設外就労ですが、報酬を受けるにはいくつかの要件があります。
算定要件
請負契約が必要
施設外就労を行うには、業務を請け負う企業と契約を行う必要があります。契約先は別法人であることが前提となっており、施設外就労先から作業の対価が支払われていることが要件となっています。
施設外就労のための人員配置が必要
施設外就労を行っているため事業所内での人員が欠員している、ということのないよう、事業所側でも施設外就労者を除いた人数に基づいた所定の人員配置が必要とされています。
個別支援計画への定義
施設外就労を行う際には、事前に個別支援計画にその旨を記載する必要があります。目的は就労能力や賃金の向上、一般就労への移行などに資する内容にします。
個別支援計画の作成の目的や具体的な流れについては、就労継続支援A型の個別支援計画とは?作成の目的や流れを解説、就労継続支援B型の個別支援計画とは?作成の目的や流れを解説【ひな形無料ダウンロード】で解説していますので、あわせてご覧ください。
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施設外就労に関するよくある質問
Q. 施設外就労と施設外支援の違いは何ですか?
施設外就労は企業から請け負った作業をその企業内で行う支援で、実施期間に上限はありません。施設外支援は職場実習や求職活動など事業所外での活動を支援するもので、年間180日を限度として算定されます。詳しい違いは本記事内の比較表をご確認ください。
Q. 施設外就労には日数の上限がありますか?
いいえ。施設外就労そのものには年間の実施日数の上限は定められていません。混同されやすい「施設外支援」には年間180日の上限があるため、あわせてご確認ください。
Q. 施設外就労加算は今も算定できますか?
いいえ。施設外就労加算は2021年度(令和3年度)の報酬改定で廃止され、現在は基本報酬に包括化されています。ただし、施設外就労を推進することで「就労移行支援体制加算」や「地域協働加算」などの取得可能性が高まる場合があります。
Q. 施設外就労を行うにはどのような契約が必要ですか?
施設外就労を行う企業(別法人であることが前提)との間で請負契約を結ぶ必要があります。施設外就労先から作業の対価が支払われていることも要件です。
Q. 施設外就労を行う場合、事業所の人員配置はどうなりますか?
施設外就労を行っている利用者を除いた人数に基づいて、事業所内で所定の人員配置を満たす必要があります。施設外就労によって事業所内の人員が欠員扱いにならないよう注意が必要です。
Q. 施設外就労を行う際、個別支援計画には何を記載すればよいですか?
施設外就労を行う旨を事前に個別支援計画に記載する必要があります。就労能力や賃金の向上、一般就労への移行などに資する内容として位置づけることが求められます。
Q. 施設外就労の利用者数に上限はありますか?
施設外就労は、利用定員と同じ人数まで受け入れることができます。たとえば利用定員20名の事業所であれば、事業所内と施設外就労をあわせて最大40名まで受け入れが可能です。
まとめ
ここまで、就労継続支援の施設外就労について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
施設外就労は要件も多く、人員を揃えるのも大変ですが、利用者・事業者双方にとってもメリットがあるものになります。
地域社会との連携を高めながら、より利用者の社会参加に役立つ支援を行うために、施設外就労の実施も検討してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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