就労継続支援B型事業所で働かれている方々の中には、利用者ごとの目標設定や計画書への落とし込み方など、個別支援計画の作成に悩んでいるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、就労継続支援B型の個別支援計画の作成方法や流れについて解説します。ぜひ最後までお読みください。
また、帳票作成等に密接に係る内容として、「令和8年度臨時報酬改定」は事業所を運営する上で無視できない話題です。
かべなしクラウドは、前回の令和6年度改定から、今回の臨時改定に至るまでの流れや、具体的な変更点についてわかりやすく解説した資料をご用意しています。
報酬改定について知りたいという方は、ぜひこちらもご覧ください。
令和8年障害福祉報酬改定についてのより詳しい資料をダウンロードしたい方はこちら!
カンタン要約:就労継続支援B型の個別支援計画とは?
- 利用者への支援内容や目標、留意事項等を記載する書類で、サービス管理責任者が作成し、指定基準(171号第3条)により作成が義務付けられています。
- アセスメントから原案作成、サービス担当者会議、説明・同意・交付、モニタリングまでの流れで作成し、6ヵ月に1回以上の見直しが必要です。
- 未作成の場合は基本報酬が最大50%減算されるほか、運営指導でも記録不備等を指摘されやすいため、注意が必要です。
就労継続支援B型の個別支援計画とは?
個別支援計画とは、利用者に対してどのような内容の支援を提供するのかを記載する書類です。具体的には、利用者やその家族の生活に対する意向、総合的な支援の方針、生活全般の質を向上させるための課題、目標及びその達成時期、サービス提供する上での留意事項等を記載します。
就労継続支援B型の個別支援計画の目的
個別支援計画を作成する目的は、サービスの提供にあたって利用者個々のニーズを正確に把握し、より一貫した適切なサービスを提供することを目的として作成されます。
個別支援計画は作成しなくてもいいの?
個別支援計画の作成は、就労継続支援B型を含む指定障害福祉サービスの運営基準に定められており、作成が必須の書類となっています。
(指定障害福祉サービス事業者の一般原則)
引用元:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)第3条第1項
第三条
指定障害福祉サービス事業者(第三章、第四章、第九章、第十章及び第十一章から第十六章までに掲げる事業を行うものに限る。)は、利用者の意向、適性、障害の特性その他の事情を踏まえた計画(以下「個別支援計画」という。)を作成し、これに基づき利用者に対して指定障害福祉サービスを提供するとともに、その効果について継続的な評価を実施することその他の措置を講ずることにより利用者に対して適切かつ効果的に指定障害福祉サービスを提供しなければならない。
就労継続支援B型における個別支援計画作成の時期
就労継続支援B型の個別支援計画の有効期間は6ヵ月となっています。そのため6ヵ月に1回以上、個別支援計画の見直しが必要です。
個別支援計画の作成者
個別支援計画は原則として、「サービス管理責任者(サビ管)」が担当することになっています。
個別支援計画に盛り込む項目
個別支援計画には、一般的に以下のような内容を記載します。
- 利用者とその家族の生活に対する意向
- 総合的な支援の方針
- 生活全般の質を向上させるための課題
- 長期・短期それぞれの支援目標とその達成時期
- 支援の具体的な内容
- 留意事項 など
就労継続支援B型の個別支援計画作成の流れ
個別支援計画は以下のような流れで作成します。
- アセスメント
- 個別支援計画の原案作成
- サービス担当者会議
- 個別支援計画の本案作成
- 利用者への説明・同意・交付
- モニタリング
- 計画の見直し
①アセスメント
個別支援計画を作成するにあたり、まずは利用者と面談を実施します。その中で利用者やそのご家族が、支援に対してどのような望みがあるのか、支援を通して何を目指していきたいかなどのニーズをヒアリングします。
具体的には以下のような内容を聴取していきます。
- 利用者のできること、できないこと
- 利用者がおかれている環境や日常生活全般の状況
- 利用者とその家族が希望する生活
- 希望する生活を実現するにあたっての課題
②個別支援計画の原案作成
アセスメントで得た内容を基に、サービス管理責任者が個別支援計画の原案を作成します。
③サービス担当者会議(ケース会議)
サービス管理責任者は、利用者への支援サービスに直接携わる担当者等を招集して会議を開催し、作成した個別支援計画の原案について、意見交換が義務づけられています。
議論の内容は忘れずに記録に残すようにしましょう。
④個別支援計画の本案作成
サービス担当者会議での意見も踏まえて、最終的な個別支援計画を作成します。
⑤利用者への説明・同意・交付
本案を作成したら、個別支援計画の内容を利用者とその家族に説明し、文書で同意を得てから交付します。
2024年度の報酬改定にて、相談支援事業所にも計画を交付することが義務化されました。こちらも忘れずに実施するようにしましょう。
⑥モニタリング
個別支援計画を交付したら、その内容に則って利用者へサービス提供が開始されます。個別支援計画は交付されたら終わりではなく、サービス提供開始後も、事前の計画に沿った支援が行われているかどうかや、計画が利用者の状態に合っているかなどのモニタリングを行います。
⑦計画の見直し
万が一変化が認められた場合には、利用者の状況に合わせて個別支援計画の見直しを行います。見直す際には、支援内容や目標の適切さや目標進捗に対する分析などを実施して、より利用者の実状に合った内容になるよう、計画を修正します。
就労継続支援B型の個別支援計画作成の注意点
個別支援計画未作成減算
個別支援計画を作成していない場合や、作成されているもののプロセスが適当でないと認められた場合には、「個別支援計画未作成減算」の適用を受けてしまう場合があります。
具体的には、減算が適用される月から2ヵ月目までは基本報酬の30%減算(所定単位数×70%)、3ヵ月以上連続して未作成の状態が続く場合は基本報酬の50%減算(所定単位数×50%)が適用されます(参照:厚生労働省「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」(令和8年度改定版)。また、留意事項通知に基づき、減算対象となる期間は、個別支援計画に不備が生じた月から、その不備が解消された月の前月までとなるため、発覚後は速やかな計画の再作成が求められます。
個別支援計画未作成減算についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。
運営指導(実地指導)での指摘
個別支援計画については、減算とともに運営指導でも指摘を受ける場合があります。特に以下のような指摘がありますので、注意するようにしましょう。
- アセスメントやモニタリングなど作成における各プロセスについて実施の記録が残されていない場合
- 作成の期間が守られていない場合
- 減算の対象にも関わらず減算していない場合 など
個別支援計画書のひな形を無料ダウンロード!
無料でダウンロードできる個別支援計画書のひな形をご用意しました。
※こちらのひな形に関しては、ユーザー様の責任にてご利用ください。また、ご利用の際には、行政からの通知、事業所の最新の状況等に応じて、項目や内容を編集してください
就労継続支援B型の記録・請求ソフトなら「かべなしクラウド」
就労継続支援B型の業務効率化には、記録・業務支援ソフトの『かべなしクラウド』がおすすめです。
『かべなしクラウド』は、パソコンだけでなくタブレットやスマートフォンから請求データの元となる日々の支援記録を手軽に登録し、利用者ごとに情報を一元管理することができます。
また、電子サイン付タイムカードや個別支援計画・サービス等利用計画の予定管理機能などもすべて1つのソフトで完結するため、記録や帳票作成の業務時間を大幅に短縮することができます。
利用料金は月額9,800円~(税抜)。
「少しでも業務効率を改善したい」と考えている方は、ぜひ一度『かべなしクラウド』の資料をご請求ください。
就労継続支援B型の個別支援計画に関するよくある質問
Q. サービス管理責任者が急に不在になった場合、個別支援計画未作成減算はいつから適用されますか?
個別支援計画そのものの未作成減算は、モニタリングを行えなかった利用者について、サビ管が不在となった月から適用されます。これとは別に「サービス管理責任者欠如減算」もあり、こちらはサビ管が欠如した翌々月から適用される点に注意が必要です。適用開始のタイミングが異なるため、両方の減算を混同しないようにしましょう。
Q. 個別支援計画と「サービス等利用計画」は何が違うのですか?
サービス等利用計画は、相談支援専門員が利用者の生活全体を見据えた総合的な援助方針や利用するサービスの組み合わせを検討して作成する「全体像」の計画です。
一方、個別支援計画は、サービス管理責任者がこのサービス等利用計画で示された援助方針を踏まえ、自事業所が提供する支援の内容をより具体的に詳細化した計画です。両者は連動しており、個別支援計画はサービス等利用計画の内容と整合している必要があります。
Q. 個別支援計画への同意は誰が行う必要がありますか?
同意は、利用者本人から得ることが基本です。ただし、本人だけでは意思の確認が難しいケースもあり、そうした場合は家族等が代わって同意することもあります。その際も、本人の意向をできるだけ丁寧に確認する姿勢が欠かせません。
まとめ
ここまで、就労継続支援B型における個別支援計画の作成について解説してきました。
個別支援計画は利用者のサービスの質を担保し、理想の生活を実現するためにも重要な書類です。
作成プロセスやその後のモニタリングなど、減算や運営指導にも関わってくるため、作成は慎重に行いましょう。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
ソフトに関する資料を
ダウンロード
事業者への記録・請求ソフト導入支援経験者や、障害福祉・介護業界に長く携わるメンバーが在籍。障害福祉サービス事業所の開業、経営、日々の運営業務に役立つ情報を発信しています。





