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障害福祉における福祉・介護職員等処遇改善加算の算定に係るキャリアパス要件とは?

公開日: 更新日:
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障害福祉における福祉・介護職員等処遇改善加算の算定に係るキャリアパス要件とは?

福祉・介護職員等処遇改善加算の算定のためには、職場環境等要件や月額賃金改善要件など満たすべき要件が複数あります。令和8年度障害福祉サービス等報酬改定(令和8年6月施行)では、キャリアパス要件Ⅳの年収基準が見直されたほか、処遇改善加算の対象範囲も拡大されています。

この記事では、福祉・介護職員等処遇改善加算を算定する際に重要な「キャリアパス要件」について解説します。ぜひ最後までお読みください。

また、加算の算定や減算の適用に係る内容として、「令和8年度臨時報酬改定」は事業所を運営する上で無視できない話題です。
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カンタン要約:キャリアパス要件とは?

  • 任用要件や賃金体系の整備(Ⅰ)、研修の実施(Ⅱ)、昇給の仕組みづくり(Ⅲ)、改善後の年額賃金(Ⅳ)、配置等要件(Ⅴ)という5つの観点から構成される要件です。
  • 算定を目指す福祉・介護職員等処遇改善加算の区分(Ⅰ〜Ⅳ)に応じて、必要となるキャリアパス要件の組み合わせが異なり、上位区分ほど満たすべき要件が増える仕組みになっています。
  • 常時雇用する職員数が10人未満など就業規則の作成義務がない事業所では、就業規則の代わりに内規等を整備・周知することでも要件を満たせます。

福祉・介護職員等処遇改善加算とは

福祉・介護職員等処遇改善加算は、2024年度の報酬改定にて新たに創設された加算です。元々福祉・介護職員処遇改善加算、福祉・介護職員等特定処遇改善加算、福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算の3つに分かれていた加算が、事業所の負担減、利用者からの理解の得やすさなどの観点から一本化されました。

さらに令和8年度障害福祉サービス等報酬改定(令和8年6月施行)では、本加算の対象が「福祉・介護職員」のみから、事務職員や相談支援専門員なども含む「障害福祉従事者」全体に拡大されています。加算率の詳細や施行後の取扱いについては、最新の厚生労働省資料や自治体の案内をあわせてご確認ください。

福祉・介護職員等処遇改善加算の算定に関する要件

福祉・介護職員等処遇改善加算の算定には、以下の三つの要件を満たす必要があります。

  1. 月額賃金改善要件
  2. 職場環境等要件
  3. キャリアパス要件

「月額賃金改善要件」は、主に障害福祉人材のベースをアップすることを目的に設定されています。賃金改善に充てるべき金額や割合を規定した要件です。

「職場環境等要件」は、障害福祉人材が働きやすさややりがいを感じながら働けるよう、職場の環境の改善を規定した要件です。6つのテーマに分かれた職場環境を改善するための要件について、一定数以上実施した場合に満たすことができます。

キャリアパス要件とは?

キャリアパス要件は、賃金体系や研修実施、昇給の仕組みなど、職員のキャリア設計を目的とした取組の要件です。

キャリアパス要件Ⅰ(任用要件・賃金体系の整備等)

次の1〜3を満たしていること。

  1. 福祉・介護職員の任用の際における職位、職責、職務内容等に応じた任用等の要件(福祉・介護職員の賃金に関するものを含む。)を定めていること。
  2. 1.に掲げる職位、職責、職務内容等に応じた賃金体系(一時金等の臨時的に支払われるものを除く。)について定めていること。
  3. 1.及び2.の内容について就業規則等の明確な根拠規程を書面で整備し、全ての福祉・介護職員に周知していること。

ただし、常時雇用する者の数が10人未満の事業所等など、労働法規上の就業規則の作成義務がない事業所等においては、就業規則の代わりに内規等の整備・周知により上記3.の要件を満たすこととしても差し支えない。

また、令和6年度に限り、処遇改善計画書において令和7年3月末までに上記1.及び2.の定めの整備を行うことを誓約すれば、令和6年度当初からキャリアパス要件Ⅰを満たすものとして取り扱っても差し支えない。ただし、必ず令和7年3月末までに当該定めの整備を行い、実績報告書においてその旨を報告すること。

なお、この経過措置は令和7年3月末をもって適用期間が終了しています。

これとは別に、令和8年度においては、「令和8年度特例要件」(生産性向上に関する取組を一定数実施している場合や、社会福祉連携推進法人に所属している場合など)を満たす事業所に限り、処遇改善計画書において令和9年3月末までに上記1.及び2.の定めの整備を行うことを誓約すれば、申請時点からキャリアパス要件Ⅰを満たしているものとして取り扱う経過措置が新たに設けられています。当該誓約をした場合は、令和9年3月末までに整備を行い、実績報告書にその旨を報告する必要があります。

キャリアパス要件Ⅱ(研修の実施等)

次の1・2を満たしていること。

  1. 福祉・介護職員の職務内容等を踏まえ、福祉・介護職員と意見を交換しながら、
    資質向上の目標及びア又はイに掲げる事項に関する具体的な計画を策定し、当該計画に係る研修の実施又は研修の機会を確保していること。
  1. 資質向上のための計画に沿って、研修機会の提供又は技術指導等を実施(OJT、OFF-JT等)するとともに、福祉・介護職員の能力評価を行うこと。
  2. 資格取得のための支援(研修受講のための勤務シフトの調整、休暇の付与、費用(交通費、受講料等)の援助等)を実施すること。
  1. 1.について、全ての福祉・介護職員に周知していること。

キャリアパス要件Ⅲ(昇給の仕組みの整備等)

次の1〜2を満たしていること。

  1. 福祉・介護職員について、経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けていること。 具体的には、次のアからcまでのいずれかに該当する仕組みであること。
  1. 経験に応じて昇給する仕組み 「勤続年数」や「経験年数」などに応じて昇給する仕組みであること。
  2.   
  3. b. 資格等に応じて昇給する仕組み
  4. 介護福祉士等の資格の取得や実務者研修等の修了状況に応じて昇給する仕組みであること。ただし、別法人等で介護福祉士資格を取得した上で当該事業者や法人で就業する者についても昇給が図られる仕組みであることを要する。   
  5. c.一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組み
  6. 「実技試験」や「人事評価」などの結果に基づき昇給する仕組みであること。ただし、客観的な評価基準や昇給条件が明文化されていることを要する。
  1. 1.の内容について、就業規則等の明確な根拠規程を書面で整備し、全ての福祉・介護職員に周知していること。

ただし、常時雇用する者の数が10人未満の事業所等など、労働法規上の就業規則の作成義務がない事業所等においては、就業規則の代わりに内規等の整備・周知により上記2.の要件を満たすこととしても差し支えない。 また、令和6年度に限り、処遇改善計画書において令和7年3月末までに上記1.の仕組みの整備を行うことを誓約すれば、令和6年度当初からキャリアパス要件Ⅲを満たすものとして取り扱っても差し支えない。ただし、必ず令和7年3月末までに当該仕組みの整備を行い、実績報告書においてその旨を報告すること。

この経過措置についても令和7年3月末で適用期間が終了しています。

これとは別に、令和8年度においては、上記の「令和8年度特例要件」を満たす事業所に限り、処遇改善計画書において令和9年3月末までに上記1.の仕組みの整備を行うことを誓約すれば、申請時点からキャリアパス要件Ⅲを満たしているものとして取り扱う経過措置が新たに設けられています。当該誓約をした場合は、令和9年3月末までに整備を行い、実績報告書にその旨を報告する必要があります。

キャリアパス要件Ⅳ(改善後の年額賃金要件)

経験・技能のある障害福祉人材のうち1人以上は、賃金改善後の賃金の見込額(新加算等を算定し実施される賃金改善の見込額を含む。)が年額460万円以上であること(新加算等による賃金改善以前の賃金が年額460万円以上である者を除く。

この年収基準は、令和8年度の報酬改定により、従来の年額440万円以上から引き上げられています。

また、ここでいう「経験・技能のある福祉・介護職員」とは、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士又は保育士のいずれかの資格を有し、かつ所属する法人等における勤続年数10年以上であることを基本としつつ、他の法人における経験や当該職員の業務・技能等も踏まえて、各事業所の裁量で設定する職員を指します。

なお、キャリアパス要件Ⅳについては、後述する「職場環境等要件」のうち全体で14項目以上の取組を実施している場合も、要件を満たしているものとして扱われます。また、令和8年度においては、処遇改善計画書において令和9年3月末までに上記の賃金改善又は職場環境等要件14項目以上の実施を行うことを誓約すれば、申請時点からキャリアパス要件Ⅳを満たしているものとして取り扱う経過措置が設けられています(この経過措置はすべての事業所が対象です)。当該誓約をした場合は、令和9年3月末までに実施し、実績報告書にその旨を報告する必要があります。

キャリアパス要件Ⅴ(配置等要件)

福祉専門職員配置等加算の届出を行っていること。

なお、居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護については、福祉専門職員配置等加算に代えて特定事業所加算の届出が対象となります。また、重度障害者等包括支援、施設入所支援、短期入所、就労定着支援、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援については、これに相当する加算がないため、キャリアパス要件Ⅴ自体が不要とされています。

よくある質問

Q. キャリアパス要件はⅠ〜Ⅴのすべてを満たさなければ加算を算定できませんか?

いいえ、すべての要件を満たす必要はありません。算定を目指す福祉・介護職員等処遇改善加算の区分(加算Ⅰ〜Ⅳ)に応じて、必要となるキャリアパス要件の組み合わせが異なります。上位の区分を算定するほど、満たすべき要件の数は多くなる仕組みです。どの区分を目指すかによって整備すべき要件が変わるため、事前に自事業所の目標区分を確認しておくことをおすすめします。

Q. キャリアパス要件Ⅰ・Ⅲで求められる書面での整備は、必ず就業規則でなければいけませんか?

常時雇用する職員数が10人未満であるなど、労働基準法上就業規則の作成義務がない事業所であれば、就業規則の代わりに内規等を整備し、全職員に周知することでも要件を満たせます。事業所の規模にかかわらず対応できる仕組みになっている点は押さえておきたいポイントです。

Q. キャリアパス要件Ⅴにある「福祉専門職員配置等加算」とはどのような加算ですか?

社会福祉士や介護福祉士など、一定の専門資格を持つ職員を規定の割合以上配置している場合に算定できる加算です(居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護については特定事業所加算が対象となります)。なお、重度障害者等包括支援、施設入所支援、短期入所、就労定着支援、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援には相当する加算がないため、これらのサービスではキャリアパス要件Ⅴ自体が不要とされています。対象となるサービスでキャリアパス要件Ⅴを満たすには、この加算をすでに届け出ていることが条件となるため、自事業所が要件を満たしているかをあわせて確認しておく必要があります。

最後に

この記事は、作成時点の最新資料・情報を基に作成しています。具体的な解釈や申請等については、その都度、最新情報をご確認いただき、自治体等へ申請・お問い合わせいただきますようお願い致します。

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この記事の執筆者
かべなしメディア編集部 株式会社エス・エム・エス

事業者への記録・請求ソフト導入支援経験者や、障害福祉・介護業界に長く携わるメンバーが在籍。障害福祉サービス事業所の開業、経営、日々の運営業務に役立つ情報を発信しています。

※掲載内容はすべて記事公開時点のものです。

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