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グループホーム(共同生活援助)の令和6年(2024年)度の報酬改定をわかりやすく解説!

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グループホーム(共同生活援助)の令和6年(2024年)度の報酬改定をわかりやすく解説!

令和6年(2024年)度の障害福祉サービス等報酬改定でグループホーム(共同生活援助)における基本報酬や加算減算のルールの見直しが行われました。

グループホームを含め障害福祉業界全体で大規模な見直しが行われたのが令和6年度の障害福祉サービス等報酬改定です。さらに現在、令和8年度障害福祉サービス等報酬改定(臨時応急的な見直し)も行われ、日々の実務において様々なルール変更が行われています。

この記事では、グループホーム(共同生活援助)における令和6年(2024年)度の障害福祉サービス等報酬改定での変更点を解説します。令和6年度の報酬改定のポイントや変更点を踏まえつつ、令和8年度の報酬改定を確認いただき、報酬改定の全体像の整理にお役立てください。

令和6年(2024年)度の報酬改定における主なポイント

令和6年度の障害福祉サービス等報酬改定において、グループホーム(共同生活援助)に関する変更点は、主に以下4つの方向性に沿って実施されました。

地域生活への移行に向けた支援を評価

グループホームから一人暮らし等への移行を希望する利用者に対する支援の評価が拡充されました。利用者の希望を実現するために、退居に向けた集中的なサポートや退居後一定期間の相談支援など一連のプロセスが新たに評価されるようになります。

支援実態にあわせた報酬・加算体系へのシフト

基本報酬のあり方が、実際の支援内容や経営実態を踏まえたものへと見直されました。これまで世話人の配置比率で決まっていた基本報酬区分が改められ、実際の手厚い人員配置等に応じて加算で評価される体系へと移行されました。

人材の確保・定着に向けた新・処遇改善加算への移行

従来の3種類の処遇改善関連の加算が、新しく4段階の福祉・介護職員等処遇改善加算として一本化されました。制度がわかりやすくなり加算率も上がったため、職員の定着とモチベーションアップにつながりやすくなりました。

支援の質確保のための地域との連携強化

運営の透明性を高め、支援の質を確保するため、地域の関係者など外部の目を定期的に入れる「地域連携推進会議」の設置が新たに義務付けられました。

基本報酬の見直し

グループホームの報酬において最も影響が大きいのが基本報酬の見直しです。令和6年度の報酬改定において以下の見直しが行われました。

世話人の配置基準に応じた区分の見直し

これまで、グループホームの基本報酬は世話人の配置基準(6:1、5:1、4:1など)ごとに区分されていました。しかし改定によりこの区分が廃止され、基本報酬の単位数が単一のベースライン(主として6:1の配置水準)に一本化されました。

基本報酬の単位数

基本報酬が一本化されたことに伴い、新たな単位数は主として「旧6:1(日中支援型は5:1)」の配置水準をベースに引き下げて設定されました。

介護サービス包括型(共同生活援助サービス費Ⅰ)

  • 区分6:600単位/日
  • 区分5:456単位/日
  • 区分4:372単位/日
  • 区分3:297単位/日
  • 区分2:188単位/日
  • 区分1以下:171単位/日

日中サービス支援型(日中サービス支援型共同生活援助サービス費Ⅰ)

  • 区分6:997単位/日
  • 区分5:860単位/日
  • 区分4:771単位/日
  • 区分3:524単位/日

外部サービス利用型(外部サービス利用型共同生活援助サービス費Ⅰ)

  • 全区分共通:171単位/日

人員配置体制加算【新設】

基本報酬が一本化されたことに伴い、基準よりも手厚く世話人や生活支援員を配置している事業所を評価する「人員配置体制加算」が新設されました。この加算を取得するためには「特定従業者数換算方法」という週40時間をベースにした非常に厳密な勤務時間の計算が必要となり、毎月の正確なシフト管理と実績の証明が不可欠となっています。

日中支援加算【見直し】

高齢化や重度化など心身の状況により、日中活動サービスを利用できず日中にグループホームで過ごす利用者に対する支援を評価する日中支援加算について、支援の実態に合わせて単位数や要件の見直しが行われました。

加算の算定が可能なのは支援を提供した3日目からとされていた要件が変わり初日から算定可能になり、また日中サービス支援型において日中支援加算が廃止されています。

個人単位の居宅介護等の利用の特例的取扱い【見直し】

グループホーム入居者が個別に居宅介護等(訪問系のヘルパー等)を利用する場合の特例的取扱いは令和6年3月末までとされていましたが、事業所や利用者への影響等を鑑みて、令和9年3月末まで延長されました。

一人暮らし等(地域生活)への移行に向けた支援に対する加算

前述した通り、グループホームから一人暮らし等への移行を後押しするため、自立に向けた支援や退去後のフォローアップに対する加算が拡充されました。

自立生活支援加算【見直し・新設】

一人暮らしに向けた体験的な宿泊や、生活スキルの獲得支援への評価が見直されました。さらに、一人暮らしへの移行を前提として集中的な支援を行う「移行支援住居」という枠組みが新設されています。

この住居では利用期間が原則3年(最長5年)と明確に区切られているのが特徴です。また、ここで算定できる新たな加算(自立生活支援加算Ⅲ)は、利用期間が長くなるほど日額の単位数が下がっていく設計になっており、事業所には期限内に利用者を自立へと導くための専門的かつ計画的な支援が求められます。

退居後共同生活援助サービス費・退居後外部サービス利用型共同生活援助サービス費【新設】

利用者がグループホームを退居して一人暮らしを始めた直後は、孤独感や不安から生活が立ち行かなくなるケースが少なくありません。そこで、慣れ親しんだグループホームの職員が定期的に一人暮らしをしている居宅を訪問して相談に乗った場合、退去日の属する月から3ヶ月(市町村が認めた場合は6ヶ月)に限り「基本報酬(月単位)」として評価算定できる仕組みが作られました。これにより事業所としてのフォローアップがしっかり収益化できるようになっています。

ピアサポート実施加算・退居後ピアサポート実施加算【新設】

一人暮らしへの移行に向けた支援(移行支援住居での入居中)、および退居後のフォローアップ支援において、障害の当事者であるピアサポーター(一定の研修を修了した者)が自らの経験に基づいて相談援助を行った場合を評価する加算が新設されました。入居中は「ピアサポート実施加算」、退居後は「退居後ピアサポート実施加算」としてそれぞれ算定できます。

重度障害者支援加算【見直し・新設】

強度行動障害や障害の程度が重い方への受け入れ体制および支援拡充に関して、専門性の高い支援に対する加算が強化されました。

重度障害者支援加算

強度行動障害がある方を積極的に受け入れる体制の評価として、従来の「行動関連項目の合計点が10点以上」という基準に加え、「合計点が18点以上」の特に支援が困難な状態にある方を受け入れた場合の手厚い上位区分が新設されました。この上位区分を算定するためには、専門的な研修を修了した「中核的人材」を配置し、その者が作成した計画に基づく支援が必須となります。

集中的支援加算

状態が急激に悪化した強度行動障害のある利用者に対し、広域的支援人材が事業所を集中的に訪問して専門的なアセスメントや助言を行った場合を評価します。事業所単独で抱え込まず、専門家の力を借りて支援を立て直すプロセスが加算対象となりました。

特定の障害特性に応じた支援体制加算【新設・拡充】

障害の特性によっては、一般的な生活支援に加えて、コミュニケーションや環境調整における特別な配慮と専門知識が求められます。ここでは、視覚・聴覚言語障害や高次脳機能障害に対する専門的な支援体制を整えている事業所への新たな評価(加算)について確認しておきましょう。

視覚・聴覚言語障害者支援体制加算の拡充

視覚、聴覚、言語に重い障害がある利用者を積極的に受け入れ、手話や点字などに対応できる専門職員を手厚く配置している事業所への評価として、より単位数の高い上位区分が新設されました。具体的には、従来の「50:1以上」の配置要件に加え、さらに手厚い「30:1以上」で専門職員を配置した場合が新たな上位区分の対象となります。

高次脳機能障害者支援体制加算の創設

高次脳機能障害のある利用者への支援を評価する日単位の加算が新たに設けられました。算定にあたっては、利用者が「全利用者の30%以上」で、さらに、高次脳機能障害支援者養成研修を修了した職員を「利用者数に対して50:1以上」配置し、その体制を外部に公表していることが求められます。

福祉・介護職員等処遇改善加算【見直し】

業界全体における課題である職員の定着と人材確保に関する施策として、これまで3種類に分かれていた処遇改善関連の加算が「福祉・介護職員等処遇改善加算」として新しく一本化されました。

従来の処遇改善加算は「福祉・介護職員等処遇改善加算」に一本化

これまで「処遇改善加算」「特定処遇改善加算」「ベースアップ等支援加算」と3つの異なる枠組みで運用され、計算や書類作成が極めて煩雑だった加算が新たに4段階の「福祉・介護職員等処遇改善加算」へと一本化されました。これにより全体の加算率が引き上げられ、また職種間の配分ルールが統一されました。

新加算の加算区分と要件

これまで3種類に分かれていた加算が、新たに「福祉・介護職員等処遇改善加算(Ⅰ)〜(Ⅳ)」の4段階に一本化されました。上位の区分になるほど加算率(事業所に入る金額)が高くなりますが、その分クリアすべき要件も厳しくなります。グループホームが各区分を算定するための主な要件は以下の通りです。

加算区分 求められる体制(概要) 満たすべき要件(下の区分の要件+追加要件)
(Ⅰ) 専門資格者の手厚い配置。

有資格者を一定割合以上配置していること。
【加算Ⅱの要件】に加えて、
・キャリアパス要件Ⅴ(介護福祉士等の配置)
(Ⅱ) キャリアアップの明確化。

経験者への賃金改善目標があること。
【加算Ⅲの要件】に加えて、
・キャリアパス要件Ⅳ(改善後の賃金基準)
(Ⅲ) 昇給の仕組みづくり。

客観的な昇給ルールが定まっていること。
【加算Ⅳの要件】に加えて、
・キャリアパス要件Ⅲ(昇給の仕組み)
(Ⅳ) ベースとなる基本体制。

賃金体系の整備や研修実施、働きやすい環境を整えていること。
・キャリアパス要件Ⅰ、Ⅱ
・職場環境等要件

月額賃金改善要件(旧ベースアップ等支援加算からの引き継ぎ)

令和6年度の改定で「ベースアップ等支援加算」という名称の加算は消滅し、新加算の中に吸収されました。しかし、そのルール自体がなくなったわけではなく、新加算(Ⅰ〜Ⅳ)のいずれかを算定するための絶対条件である「月額賃金改善要件」として厳格に引き継がれています。

福祉・介護職員等処遇改善加算について、より詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。

医療機関との連携強化・感染症対応力の向上【新設】

有事の際にも利用者の安全を守り支援を継続するための、平時からの備えと医療連携、有事の施設内療養に対する新たな評価が設けられています。

障害者支援施設等感染対策向上加算

協力医療機関等と連携し、平時から感染症対策の指針策定や定期的なシミュレーション訓練など一定の体制を構築している事業所については月単位で評価する加算が設けられました。

新興感染症等施設療養加算

パンデミック等で病床がひっ迫し、感染した利用者が入院できず施設内で療養せざるを得ない場合、適切な感染対策を行いながら支援を継続した場合の多大な負担を、日単位で算定できる加算です。

業務継続計画未策定減算【新設】

感染症や非常災害発生時にサービス提供を継続または早期に再開するための計画(業務継続計画(BCP))が未策定の場合、基本報酬から減算されます。単に計画書を作るだけでなく、職員への周知や定期的な訓練の実施が伴っていないと基本報酬から「3%」減算されるため注意が必要です。

地域連携推進会議の設置【新設】

従来の「外部評価」が廃止され、代わりに地域住民や関係機関を交えた「地域連携推進会議」を定期的に開催し、運営状況の報告と必要な要望・助言等を聞く機会を設けることが義務付けられました。サービスの質向上と透明性を確保するための重要な取り組みです。

身体拘束の適正化【見直し】

身体拘束の適正化委員会や研修を実施していない場合の減算額が「基本報酬の10%減算(1日あたり)」へと大幅に引き上げられました。

身体拘束廃止未実施減算について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

虐待防止措置【新設】

虐待防止委員会の定期開催、担当者の配置、職員研修の実施といった障害者虐待防止措置を行っていない事業所に対し、新たに「基本報酬の1%」を減算するルールが設けられました。

情報公表未報告減算【新設】

利用者への情報公表や財務状況の見える化などを図る観点から、障害福祉サービス等情報公表システム(WAM NET)において、年に1回の事業所情報の報告を行っていない場合、基本報酬から「10%」が減算されるルールが設けられました。

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令和6年(2024年)度の報酬改定において、グループホーム(共同生活援助)は「世話人配置に応じた基本報酬の廃止」と「人員配置体制加算の新設」により、基本報酬の構造そのものが根底から変わりました。

そのため、新設・見直しされた加算要件を正しく理解し、人員の勤務実績の計算や日々の正確な記録管理を徹底することが重要となっています。しかし、エクセル等での管理や手作業での計算は、「加算の請求漏れ」や「減算要件の見落とし」のリスクもあるため、業務支援ソフトの導入がおすすめです。

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最後に

報酬改定に関する具体的な解釈や申請等については、その都度、最新情報をご確認いただき、自治体等へ申請・お問い合わせいただきますようお願い致します。

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この記事の執筆者
かべなしメディア編集部 株式会社エス・エム・エス

事業者への記録・請求ソフト導入支援経験者や、障害福祉・介護業界に長く携わるメンバーが在籍。障害福祉サービス事業所の開業、経営、日々の運営業務に役立つ情報を発信しています。

※掲載内容はすべて記事公開時点のものです。

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