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就労支援事業所を運営されている方の中には、支援記録やケース記録など、日々の業務の記録作業を簡略化したい、とお考えの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
「手書きだと余計に時間がかかる」「人によって書き方にばらつきがある」など、記録作業でお悩みの方もいらっしゃるかと思います。
この記事では、そんなお考え・お悩みを抱える方のために、就労支援の記録ソフト・システムの機能や導入のメリット、比較のポイントや記録ソフト・システムの紹介をしていきます。
ぜひご一読いただき、記録ソフト・システムの導入や比較検討の参考にしてみてください。
就労支援向け記録ソフト・システムとは
就労支援向け記録ソフト・システムとは、日々のサービス提供による利用者の状態やモニタリングの内容などの記録業務や、利用者情報の管理など、日々の業務を手助けする機能を持ったツールのことです。ソフト・システムによっては、毎月の国保連への給付費請求業務を手助けする請求機能を持つものもあります。
無料の記録ソフト・システムはある?
就労支援向けソフト・システムには無料のものも存在します。ただし機能が一部に限られていることや、対応するサービス種別が有料のものと比べると少ないことも多いので、あらかじめ対象サービスや機能をご確認のうえ導入の検討をおすすめします。
就労支援向け記録ソフト・システムの主な機能
記録ソフト・システムに搭載されている主な機能は下記の通りです。事業所で発生する各フェーズの作業をサポートし、効率化してくれます。
記録ソフトの機能例
機能 | 概要 |
---|---|
実績記録の作成・管理 | 支援記録やケース記録といった、サービスを提供した際の利用者の様子などをソフト内に記録し、一元管理できる機能です。 |
計画書や帳票の作成・管理 | 個別支援計画などの計画書や、モニタリング表などのサービス提供に関わる書類を作成し、管理する機能です。 |
利用者情報の管理 | 利用者の氏名や年齢、家族構成などのプロフィールのほか、口座情報や受給者証情報など、利用者に関する様々な情報を管理できる機能です。 |
スケジュール管理 | スタッフの勤務状況や、利用者の利用予定の管理、送迎などの予定を管理する機能です。 |
上限管理 | 自身の事業所が上限額管理担当となった場合に、利用者ごとの上限額の確認や管理、上限額管理結果表の作成などが可能な機能です。 |
請求機能 | 毎月の国保連請求をより簡易的にミスなく実施できるようにする機能です。 |
就労支援向け記録ソフト・システムを導入するメリット
様々な機能が搭載されている記録ソフト・システムは、導入すると多くのメリットがあります。
主なメリットは以下の通りです。
メリット①記録作成の効率化
記録ソフト・システムの中には、頻出する文章をテンプレート化できる機能や、同じ利用者が同じ条件で同じサービスを受けた場合などに、その情報を一括で入力できる機能など、入力を効率化する機能が付いているものもあります。
また、スマートフォンやタブレットを使うことで、付属のカメラで撮影した写真を記録に添付することや、音声入力の文字起こしの機能を利用することで、手入力が苦手な方でも記録を簡単に残すことがでるものもあります。
メリット②記録管理の簡略化
手書きなど紙で記録を作成すると、利用者一人ひとりに対するサービス提供の記録やその日の業務日誌など、たくさんの書類を作成してファイリングし、鍵付きのキャビネットなどに保管しなければなりません。 ソフト・システムでの作成に切り替えると、記録を電子化して保存することができるため、書類を印刷・整理してキャビネなどに保管する手間がなくなり、事業所のスペースを圧迫することもありません。また、ソフト・システム内で必要な情報を検索し、すぐに閲覧することもできるようになります。
メリット③実績転記の効率化
紙での運用やソフト・システムを使用しない場合、記録として記入した内容は、他の様々な書類に手書きまたは手動で転記することになります。その点、記録ソフト・アプリに請求機能がついていて連動している場合は、記入したサービス提供の記録を自動で他の書類に反映させられるので、手書きや入力用のファイルから手動で実績を転記する作業を大幅に減らすことができます。
就労支援向け記録ソフト・システムの選び方
ここでは、実際に記録ソフト・システムを導入する際の選び方について、手順ごとに解説します。
①必要な機能の洗い出し
まずはご自身の事業所に必要な機能を洗い出していきます。工数を削減するために必要な機能がある場合や、理想的な運営フローを実現するために必要な機能がある場合など、自事業所が求める条件を確定させ、その条件をベースに提供企業から資料請求などをして情報収集します。
②各種ソフト・システムの比較検討
収集した情報をもとにそれぞれのソフトを比較し、候補を絞り込んでいきます。比較のポイントは後述しますが、費用や機能だけでなく様々な面から、どのソフト・システムが事業所に合いそうかを判断しましょう。
③候補となるソフト・システムを無料体験
候補を絞り込んだら、デモなどで使用感を確認しましょう。ソフト・システムによっては無料体験期間を設けているものもありますので、気になるものは無料体験に申し込み、実際の画面の見やすさや使いやすさを確認するようにしましょう。
④導入するソフト・システムを決定
無料体験などで実際に操作を体験し、最初に定めた条件も鑑みて問題がなければ導入するソフト・システムを決定しましょう。
就労支援向け記録ソフト・システムの比較のポイント
ご自身の事業所に合った記録ソフト・システムを選ぶため、下記のような比較ポイントを押さえ、それぞれの差異を把握しましょう。
ポイント1 費用
記録ソフト・システムの料金は、月額などの定額制と初期費用のみで使える買い取り型の2種類があります。
また、オプションの機能を追加した場合には追加で費用が発生することもあるため、基本の使用料+オプションの使用料を合算して比較するようにしましょう。
その他、ソフト・システムによっては契約期間の縛りがあることもあり、途中で解約する場合には違約金が発生することもあります。このような、規約についても事前に確認しておくとより比較しやすいでしょう。
ポイント2 自事業所の規模との合致
記録ソフト・システムは、大規模事業所向けのものや中・小規模事業所向けのものなど、事業所の規模でも比較が可能です。
豊富なサービス種別に対応したものや、種別は絞られるが特定のサービスに特化した機能をもっているものなど、自事業所と合致する性能のソフト・システムを選ぶようにしましょう。
ポイント3 導入方式
記録ソフト・システムには「クラウド型」と「パッケージ型」の2種類の方式があります。それぞれの違いは以下の通りです。
項目 | クラウド型 | パッケージ型 |
---|---|---|
費用 | 月額料金のみで、初期費用は不要。 | 年間契約や買い取り型が多く、初期費用が高いことが多い。 |
データ管理 | インターネット環境があれば、どのパソコンからでもアクセスが可能(パソコンが壊れたとしても、情報が消失することはない)。
パスワードの管理等のセキュリティ対策が必要。 |
事業所のパソコンにデータを保存するため、情報漏えいの可能性が低いが、パソコンの故障などによる情報消失等への対応(こまめにバックアップを取るなど)が必要。 |
ソフトのカスタマイズ | カスタマイズは難しいことが多い。 | カスタマイズが可能だが、
有料である場合が多い。 |
法改正への対応 | 自動更新のため、アップデート等の作業が必要ない。 | 自身でプログラムのアップデートが必要。 |
双方の特徴を把握し、自事業所の規模やニーズに合った方式を採用してください。
ポイント4 機能で比較
請求データ作成等の請求業務に特化したものや、計画書・記録・その他の機能が充実しているものなど、記録ソフトごとにそれぞれ特徴があります。特に就労継続支援などの場合は、給与や工賃の計算に関する機能も確認することをおすすめします。
それぞれの機能を比較し、ご自身の事業所においてどのような課題を解決したいかによって必要な機能を見定め、導入するソフト・システムを決定しましょう。
ポイント5 サポート体制で比較
ソフト・システムの導入にあたり、導入初期の伴走や、乗り換え時の利用者データ移行のサポートがあるとよりスムーズにソフト・システムを導入できます。
ソフト・システムごとに対応可否は異なりますが、具体的なサポート内容としては以下のようなものがあります。
- 事業所の開業支援
- 導入時の訪問・電話サポート
- ソフト・システムを乗り換える場合のデータ移行支援
- 導入後の電話・メールでのサポート
不明点が発生した場合などでも、素早く対応してくれる記録ソフト・システムの方がより導入メリットを感じやすいと思いますので、比較の際にはサポート体制についても考慮することをおすすめします。
就労支援向け記録ソフト・システム5選
就労支援で利用できるソフト・システムにはどのようなものがあるのでしょうか。主要なソフト・システムをご紹介します。(介舟ファミリー以下五十音順)
かべなしクラウド(株式会社エス・エム・エス)
かべなしクラウド(旧プロジェクトRIN)は、障害福祉に特化した記録・請求ソフトです。工賃計算・帳票作成機能で業務効率化を支援。電子サインで紙なし・ハンコなしのペーパーレス化を実現します。就労継続支援A型/B型、就労移行、定着支援、計画相談支援、グループホーム(共同生活援助)、生活介護に対応。
引用元(2025年6月4日):https://kabe-nashi.jp/
介舟ファミリー(株式会社日本コンピュータコンサルタント)
介護保険、障害福祉の両制度に対応。1つのソフトで請求、給与計算、入金管理ができます。初めての方でも安心してご利用できるシンプルな操作性。お客様の運用に合わせた操作説明、初めての請求立ち合い、サポートセンターにより、安心してご利用できます。
引用元(2025年5月12日):https://kaisyuf.jp/
knowbe(株式会社リクルート)
『knowbe(ノウビー)』はリクルートが提供する障害福祉に特化した運営支援ソフトです。ご利用継続率99%で、多くの事業所様からご満足頂いています。「記録」「給付費請求」「工賃・給与計算」の業務効率化から就労支援まで、事業所様の運営・経営をサポートいたします。
引用元(2025年5月12日):https://knowbe.jp/
響シリーズ/シンフォニー(株式会社EMシステムズ)
各種介護・福祉サービスに対応した充実のラインアップ。事業所の皆様の運用に合わせ、各種サービスのプラン、実績、給与までをサポートするパッケージシリーズです。また、全国500以上の市区町村の移動支援サービスにも対応しおり、きめ細やかな機能でご好評をいただいています。
引用元(2025年5月12日):https://service.emsystems.co.jp/hibiki/
ほのぼのmore(NDソフトウェア株式会社)
障害者総合支援法対応版「ほのぼのmore」をはじめ、障がい者福祉の様々な業務をトータルサポートするサービス・製品についてご紹介いたします。
引用元(2025年3月28日):https://www.ndsoft.jp/product/disability-welfare/
就労支援の手間を減らすなら『かべなしクラウド』がオススメ!
業務効率化には、記録・業務支援ソフトの『かべなしクラウド』がおすすめです。『かべなしクラウド』は、パソコンだけでなくタブレットやスマートフォンから日々の記録を手軽に登録し、利用者ごとに情報を一元管理することができます。
また、電子サイン付タイムカードや個別支援計画・サービス等利用計画の予定管理機能などもすべて1つのソフトで完結するため、記録や帳票作成の業務時間を大幅に短縮することができます。
「少しでも業務効率を改善したい」と考えている方は、ぜひ一度『かべなしクラウド』の資料をご請求ください。
「かべなしクラウド」を導入した方の声
ここでは、実際に「かべなしクラウド」の利用者の声をご紹介します。
事例①就労継続支援A型事業所を運営する株式会社Create様
株式会社Createの宮本氏は、「かべなしクラウド」の機能について下記のように述べています。
やはりペーパーレスで全てを一元管理できる点が非常に便利です。中でも、個別支援計画の作成やスケジュール管理は特に役に立っています。一目でモニタリングや個別支援計画の作成スケジュールが理解できる他、サインをもらった日時や交付した日時が簡単に確認でき、そのまま利用者や関係機関にメールで交付できる。また、制度上必要な書類作成、説明と同意の署名などができていない場合、エラー表示のアラートがあるので対応漏れを防ぐことができています。
引用元:かべなしクラウドでペーパーレス化を実現!IT人材の輩出で社会課題の解決を目指す女性社長の挑戦
事例②自立訓練(生活訓練)事業所を運営する一般社団法人 Atelier Michaux様
こらだ環境研究所の鞍田代表は、「かべなしクラウド」の機能について下記のように述べています。
メール交付機能を活用しています。個人情報を隠した状態で、利用者へ代理受領書を、相 談支援事業所へ個別支援計画をソフト内からメール送付でき、交付実績も管理できます。以前はメールで送付する際に個人情報保護のパスキーの設定をしたり、交付実績の管理も面倒だったのですが、ソフト内で完結できるので手間がかからなくなりました。
引用元:情報の一元管理で支援記録や状況把握がスムーズになりました!
さらに詳しく利用者の声を知りたい方は、こちらをご覧ください。
まとめ
就労支援向けの記録ソフト・システムについて、メリットや選び方などをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
記録ソフト・システムは記録業務だけでなく、請求業務や情報の管理といった機能を有しているものが多く、記録以外の部分でも業務を効率化できます。
一方で、多くの企業が多種多様なソフト・システムを提供していますので、まずはご自身の事業所の課題を見極めつつ、記録ソフト・システムに求められる機能をベースにシステム・ソフトを選ぶことをおすすめします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
事業者への記録・請求ソフト導入支援経験者や、障害福祉・介護業界に長く携わるメンバーが在籍。障害福祉サービス事業所の開業、経営、日々の運営業務に役立つ情報を発信しています。
かべなしクラウドは、障害福祉特化の業務支援ソフトです。個別支援計画、工賃計算、実績管理など、豊富な機能をオールインワンで備えています。
さらに、電子サイン機能で実績記録票や帳票へ手書きのサインやハンコをなくし、ペーパーレスな運用を実現します。