就労移行支援や就労継続支援A型・B型を管理・運営されている皆様の中には、就労支援の福祉ソフト導入・入替を検討されている方もいらっしゃると思います。
特に就労継続支援B型では、令和8年6月に施行された臨時報酬改定により基本報酬区分が見直されたほか、運営指導の強化も進んでおり、工賃計算や請求業務の正確性がこれまで以上に求められています。
自事業所に合ったより良いソフトを選ぶために情報収集を行う中で、「福祉ソフトにはどのような種類・機能があるの?」「選び方がわからない!」と感じることもあるのではないでしょうか。
この記事では、就労支援事業所で働く方々に向け、福祉ソフトの主な機能や選び方、実際のソフトについてご紹介します。
ぜひ最後までお読みいただき、ソフト選びにお役立てください。
就労支援向けの福祉ソフト・システムとは
福祉ソフト・システムとは
福祉ソフト・システムとは、国保連への介護給付費・訓練等給付費など請求や、ケース記録など日々の業務記録、利用者情報の管理などに使用するツールのことです。書類作成など手書きでは時間がかかってしまう各種作業を簡略化し、福祉事業の業務改善を行う目的で提供されています。
就労支援向けの福祉ソフト・システムの機能
主な機能は以下の通りです。
請求機能
毎月の国保連請求や、利用者負担分の請求データ作成、国保連伝送、利用者ごとの入金状況の確認などをより簡易的に管理・実施する機能です。
工賃・給与計算機能
入力した勤務時間などを基に、利用者に支払う賃金や工賃を自動で計算できる機能です。
実績記録作成・管理機能
サービスを提供した記録を作成し、一元管理できる機能です。
利用者情報の管理機能
利用者の氏名や年齢、家族構成などのプロフィールのほか、口座情報や受給者証情報など、利用者に関する様々な情報を管理できる機能です。
記録や帳票の作成・管理機能
個別支援計画などの計画書や、モニタリング表などのサービス提供に関わる書類を作成し、管理する機能です。
スケジュール管理機能
スタッフの勤務状況や、利用者の利用予定の管理、送迎などの予定を管理・閲覧する機能です。
上限管理機能
自身の事業所が上限額管理担当となった場合に、利用者ごとの上限額の確認や管理、上限額管理結果表の作成などが可能な機能です。
就労継続支援B型の請求業務が複雑な理由とソフトで解決できること
就労継続支援B型は、他のサービス種別と比べて請求・工賃まわりの実務が複雑になりやすいという特徴があります。国保連請求そのものは利用料の原則9割を国保連経由、残り1割を利用者に請求するという基本構造は他サービスと共通ですが、B型特有の難しさは「工賃」と「生産活動収支」が請求実務に絡んでくる点にあります。
工賃計算と生産活動収支の管理
工賃は給付費からではなく、生産活動(製品の製造・販売や請負作業など)による収益(売上-経費)から支払う必要があり、利用者一人当たりの平均工賃月額は3,000円を下回ってはならないと定められています。平均工賃月額は「年間工賃支払総額 ÷ 1日あたりの平均利用者数 ÷ 12か月」で算出するため、日々の出席状況と生産活動の収支を正確に記録・集計できていないと、月末の計算作業が大きな負担になります。
令和8年度報酬改定によるB型基本報酬区分の見直し
さらに、令和8年6月から施行された臨時報酬改定により、就労継続支援B型の基本報酬区分(平均工賃月額の区分(一)〜(六))の下限が3,000円引き上げられました。区分が急に下がる事業所の急激な収益減少を避けるため、区分A・区分B・区分Cといった激変緩和のための中間区分も新設されています。この改定に対応するには、自事業所がどの区分に該当するのか、平均工賃月額の推移をソフト上でシミュレーションできる環境が欠かせません。
(詳しくは令和8年度報酬改定 就労継続支援B型まとめ、就労継続支援B型の国保連請求書の作成方法もあわせてご覧ください。)
工賃計算・生産活動収支の管理・基本報酬区分のシミュレーションまでを一元的にカバーできるかどうかが、就労継続支援B型向けソフトを選ぶ際の重要な比較ポイントになります。
就労支援向けの福祉ソフト・システムの費用
就労支援向けの福祉ソフト・システムは、料金体系により異なるものの、月額では数千円~数万円が相場です。オプション機能の追加などで別途費用がかかる場合もあります。
また、ソフト・システムの方式がクラウド型かインストール型かによっても導入にかかる費用が異なります。クラウド型は月額が安く初期導入費が無料のものもある一方、インストール型は初期費用が高いものの長期的に継続利用することで費用のメリットが大きくなるため、長い期間で考えた場合のメリットも事前に確認しておくようにしましょう。
就労支援向けの福祉ソフト・システム導入メリット・デメリット
福祉ソフトを導入するとどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
導入のメリット
請求業務の効率化
日々の実績記録から転記が可能なものなど、請求の際に一から入力してデータを作成する手間を削減できます。また、全てを手入力する必要がないので抜け漏れも防ぐことができるため、請求業務を効率化することができます。
情報アクセスの簡略化
利用者の情報へのアクセスや抽出も、ソフト・システムがあればよりスムーズになります。
特にクラウド型のソフト・システムの場合、PCやタブレットなどでどこでも情報を引き出すことができるため、紙やファイルを持ち出して確認するといった手間が省けます。
ペーパーレス化による経費・工数削減
これまで紙で管理していた情報は、請求ソフト・システムで管理することができます。そのため、書類を紙で印刷して管理していた場合に発生する、紙代や印刷代、管理のためのキャビネやスペースの確保といった経費を削減することができます。
日々の業務の効率化
記録業務など、日々発生する業務の中でも重要かつ時間を要するものについても、ソフト・システムを使うことで工数を削減することができます。音声入力機能のあるものや入力を簡略化できるテンプレートのあるものと、様々な機能で日々の業務をサポートしてくれます。
法改正への対応の効率化
ソフト・システムの中には、令和8年度の臨時報酬改定(B型の基本報酬区分見直しなど)をはじめとした様々な法改正に無料で対応しているものもあります。改正のたびに単位数表や請求ロジックを手動で更新する必要がなく、区分変更や算定要件の変化にもソフト側で追従してくれるため、事業所側で都度フォーマットを見直す手間がかかりません。
導入のデメリット
一方、ソフト・システムを導入するデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
ICTなどへのリテラシーが必要
ソフト・システムは基本的にPCやタブレットなどで操作を行います。その為ICTの使用に慣れていない場合等には、導入後に研修や説明会を実施したり、現場へのインプットに時間を要する場合があります。
セキュリティの不安
ソフト・システムを利用する場合、利用者情報はPC・タブレットなどでいつでも閲覧することが可能です。そのため、適切に運用ルールを定め、セキュリティ対策を施さなければ情報漏洩に繋がってしまう恐れがあり、セキュリティ対策にお金がかかることも考えられます。そのため、セキュリティ対策については適宜サービスを提供する企業に確認するようにしましょう。
導入費用の負担
ソフト・システムには多様な機能が搭載されている一方で、国保連請求ソフトなどシンプルな性能のものと比較して導入費用が高くなる傾向があります。後述する選び方なども参考にしながら、自事業所に適したソフトを選びましょう。
就労支援向けの福祉ソフト・システムの選び方
①ソフト・システムに求める条件を明確にする
まずはソフト・システムにどのような機能を求め、どの程度の予算で、どのくらいのサポートが必要かなど、導入のための条件を定めます。
その際、例えば「利用者ごとの予定を一覧で見たい」「サインの抜け漏れをなくしたい」など、事業所内で抱える課題を軸に、その課題解決のために必要な機能を検討するようにしましょう。
②各社のソフト・システムの情報を収集する
条件・比較の軸を定めたら検討材料を集めましょう。ソフト・システムを提供する企業から資料を請求し、下記のようなポイントを目安に機能や費用、サポート体制などを比較します。
【ソフト・システムの比較ポイント】
- 対応するサービス種別
- 料金
- ソフト・システムの方式(クラウド型・インストール型)
- 契約形態
- 無料体験の有無
- 機能・サービス
- 導入前後のサポート体制
スマホ・タブレット端末への対応
など
③ソフト・システムに目星をつけ、無料体験・デモを受ける
比較検討した結果、導入したい・試してみたいソフト・システムが絞られてくるかと思います。ですが、導入の判断は実際に使用してみてから決定するようにしましょう。実際に使用してみると、「画面が見づらかった」「操作方法がわかりづらい」「カスタマイズの自由度が低い」など様々な要望が出てくるかと思います。事前に無料体験などを行って、満足できるソフトを選ぶようにしましょう。
④導入するソフト・システムを決定する
無料体験を経て問題がなければ、導入するソフト・システムを決定します。決定後はサポートなどを活用し、必要に応じて事業所内への研修・説明会も行いながら導入しましょう。
就労支援向けの福祉ソフト・システム10選
ここでは、就労支援に対応した福祉ソフト・システムをご紹介します。それぞれに多様な機能を持っているので、ご自身の条件と合致するものを選定し、情報収集にお役立てください。(介舟ファミリー以下は五十音順)
かべなしクラウド(株式会社エス・エム・エス)

「かべなしクラウド」は障害福祉事業に特化した記録・業務支援ソフトです。個別支援計画、支援記録の作成、工賃・給与計算、送迎管理、請求機能など、事業所の運営に必要な機能をオールインワンで備えています。
直感的でわかりやすい設計で、電子サインにも対応。紙管理からのペーパーレス化が可能で、事業所の業務効率化を支援します!
利用料金は月額9,800円~(税抜)、初期導入費・サポート費用は0円のため、導入しやすいソフトです。
介舟ファミリー(株式会社日本コンピュータコンサルタント)

介護保険、障害福祉の両制度に対応。1つのソフトで請求、給与計算、入金管理ができます。初めての方でも安心してご利用できるシンプルな操作性。お客様の運用に合わせた操作説明、初めての請求立ち合い、サポートセンターにより、安心してご利用できます。
引用元(2026年7月6日):https://kaisyuf.jp/
CAREKARTE(株式会社ケアコネクトジャパン)

介護ソフト・介護システムならケアカルテ(CAREKARTE) CAREKARTEは約19,000事業所への導入実績。介護保険~総合支援まで幅広いサービスをカバー。ナースコールやセンサーとも連携可能な介護ソフト・介護システム。
引用元(2026年7月6日):https://www.carekarte.jp/carekarteabout/
SangaZ(株式会社ザイラス)

「SangaZ(サンガ)」は、障害福祉事業者における各種情報の一元管理を実現するシステムです。利用者情報やサービス利用実績情報だけでなく、ケース記録や体験利用中の候補者情報まで網羅して管理することができます。受給者証や個別支援計画の更新時期のお知らせ機能や、日報機能で事業所業務をしっかりサポートします。
引用元(2026年7月6日):https://www.zyrus.jp/welfare_it
knowbe(株式会社ノウビー)

『knowbe(ノウビー)』は障害福祉に特化した運営支援ソフトです。ご利用継続率99%で、多くの事業所様からご満足頂いています。「記録」「給付費請求」「工賃・給与計算」の業務効率化から就労支援まで、事業所様の運営・経営をサポートいたします。
引用元(2026年7月6日):https://knowbe.jp/
はぐパス(株式会社 GLUG)

はぐパスは、障がい福祉サービス事業所やグループホーム運営を効率的に行うために100以上の事業所様の声から生まれた業務支援システムです。お手持ちのスマートフォンやタブレットからもアクセスができ、国保連への請求代行、勤怠集計、工賃・給与計算など、リアルタイムな情報共有ができます。
引用元(2026年7月6日):https://www.hagupass.com/
響シリーズ/シンフォニー(株式会社EMシステムズ)

ログインユーザーの業務に応じて、メニュー上のボタン表示をカスタマイズ可能。プラン作成からスタッフ給与までを一連の流れで処理。利用者請求額の請求、未入金の管理はもちろん、次月への繰り越し請求も可能。障がい福祉サービスにおいて、在宅系・施設系・居住系と、多彩なサービスに応じた実績入力画面を搭載。
引用元(2026年7月6日):https://service.emsystems.co.jp/hibiki/
ポチパス(トラストバンク株式会社)

通所系の障害福祉サービスに特化したかんたん記録と管理システムの"ポチパス"。タブレット、スマートフォンからもいつでもどこでも簡単アクセス! 複数の職員が同時に対応でき、音声入力も可能!IT企業と障害福祉の現場で創りあげた、現場に特化した新しいシステムです。利用者も参加できるユニークな取り組みです。
引用元(2026年7月6日):https://trust-bank.net/
ほのぼのmore(NDソフトウェア株式会社)

障害者総合支援法対応版「ほのぼのmore」をはじめ、障がい者福祉の様々な業務をトータルサポートするサービス・製品についてご紹介いたします。
引用元(2026年7月6日):https://www.ndsoft.jp/product/disability-welfare/
ワイズマン(株式会社ワイズマン)

ワイズマンの障がい者施設向け介護ソフト「障がい者施設支援システム」は、ご利用者様の管理や自立支援給付費・利用料の請求など、日々の実務作業の効率化をおこなうことができます。
引用元参考(2026年7月6日):https://www.wiseman.co.jp/products/welfare/handi/facility/
就労支援向けの福祉ソフト・システムを導入するなら『かべなしクラウド』がおすすめ!
就労支援の業務効率化には、記録・業務支援ソフトの『かべなしクラウド』がおすすめです。
『かべなしクラウド』は、パソコンだけでなくタブレットやスマートフォンから日々の記録を手軽に登録し、利用者ごとに情報を一元管理することができます。
また、電子サイン付タイムカードや個別支援計画・サービス等利用計画の予定管理機能などもすべて1つのソフトで完結するため、記録や帳票作成の業務時間を大幅に短縮することができます。
利用料金は月額9,800円~(税抜)。
「少しでも業務効率を改善したい」と考えている方は、ぜひ一度『かべなしクラウド』の資料をご請求ください。
『かべなしクラウド』を導入した方の声
ここでは、実際に『かべなしクラウド』の利用者の声をご紹介します。
事例①就労継続支援A型事業所を運営する株式会社Create様
株式会社Createの宮本氏は、『かべなしクラウド』の機能について下記のように述べています。
やはりペーパーレスで全てを一元管理できる点が非常に便利です。中でも、個別支援計画の作成やスケジュール管理は特に役に立っています。一目でモニタリングや個別支援計画の作成スケジュールが理解できる他、サインをもらった日時や交付した日時が簡単に確認でき、そのまま利用者や関係機関にメールで交付できる。また、制度上必要な書類作成、説明と同意の署名などができていない場合、エラー表示のアラートがあるので対応漏れを防ぐことができています。
引用元:『かべなしクラウド』でペーパーレス化を実現!IT人材の輩出で社会課題の解決を目指す女性社長の挑戦
事例②自立訓練(生活訓練)事業所を運営する一般社団法人 Atelier Michaux様
一般社団法人Atelier Michauxのこらだ環境研究所_鞍田代表は、『かべなしクラウド』の機能について下記のように述べています。
メール交付機能を活用しています。個人情報を隠した状態で、利用者へ代理受領書を、相 談支援事業所へ個別支援計画をソフト内からメール送付でき、交付実績も管理できます。以前はメールで送付する際に個人情報保護のパスキーの設定をしたり、交付実績の管理も面倒だったのですが、ソフト内で完結できるので手間がかからなくなりました。
引用元:情報の一元管理で支援記録や状況把握がスムーズになりました!
さらに詳しく利用者の声を知りたい方は、こちらをご覧ください。
よくある質問
Q. 就労継続支援B型のソフトはいくらかかりますか?
月額の相場は数千円〜数万円程度です。クラウド型は月額利用料が比較的安く初期費用が無料の製品もある一方、インストール型は初期費用が高い分、長期利用でコストメリットが出やすい傾向があります。「かべなしクラウド」は月額9,800円〜(税抜)、初期導入費・サポート費用0円で利用できます。
Q. 就労継続支援B型に対応したソフトはどう選べばいいですか?
工賃計算・生産活動収支の管理・国保連請求・令和8年度報酬改定後の基本報酬区分に対応しているかを基準に比較するのがポイントです。加えて、無料体験やサポート体制の有無、クラウド型かインストール型かも、自事業所の運用に合うかを見極める材料になります。
Q. 令和8年度の報酬改定はB型の請求業務にどう影響しますか?
令和8年6月の臨時報酬改定で、平均工賃月額の区分(一)〜(六)の下限が3,000円引き上げられ、区分が変動する事業所が増えています。急激な減収を避けるための激変緩和措置(中間区分)も設けられているため、自事業所がどの区分に該当するか、対応ソフトで最新の区分基準に沿った計算ができるかを確認しておく必要があります。
Q. 就労継続支援B型ソフトの請求機能で特に確認すべき点は何ですか?
国保連への伝送機能、利用者負担額の上限管理、工賃・給与の自動計算、平均工賃月額の自動集計の4点は必須で確認すべきポイントです。特に工賃計算は生産活動収支と連動するため、記録データから工賃計算まで一気通貫で行えるソフトかどうかが業務効率を大きく左右します。
まとめ
ここまで、就労支援の福祉ソフト・システムについて、機能や導入メリット、選び方などを紹介してきました。
福祉ソフト・システムは請求に利用するだけでなく、日々のあらゆる場面で業務をサポートする機能が搭載されています。各社の違いや費用面など、事業所に必要な要素を明確にした上で比較検討・無料体験を行い、ご自身の事業所にあったソフト・システムをお選びください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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事業者への記録・請求ソフト導入支援経験者や、障害福祉・介護業界に長く携わるメンバーが在籍。障害福祉サービス事業所の開業、経営、日々の運営業務に役立つ情報を発信しています。





